魔改造の夜を見ての感想

決してNHKの回し者ではないのだが、受信料を払っているのだから、NHK+というネットでNHKが見られる奴を見てる。仕事してて19時のニュースが見たくてつけたのだが、そのままつけっぱなしにしたら、掲題の番組に流れ込んだ。

魔改造の夜、ってなんなんだという人、詳しくは←リンクを見ていただきたいのだが、要するにおもちゃとかを改造して、早く走らせたり、高く飛ばしたりして、チームごとに競う番組である。

このチームというのが、日本を代表する企業や、同じく日本を代表する大学とかが、例えばTヨタとかT大とかNHKにはあるまじき企業が特定されるような言い方で紹介するのだが、一か月半の猶予を与えて、スタジオで3チームが競う、という、そしてその開発までのプロセスも紹介する、といういわばお涙頂戴部分もある番組なんだが、年を取ったのか訳もなく感動している自分がいる。

今回は、ワニの水鉄砲を改造して10m先の10本のローソクを消す、というテーマなんだが、当然、ワニのおもちゃの水鉄砲も原型留めずの状態での競争。ここも笑えるのであるが、この「水鉄砲でローソクを消す(確か10ccの水で)」というまことになんの役にも立たないことに、大学生はともかく、日本を代表するMブチモーターやSズキが特命チームまで作って開発する、という。開発途中Sズキは社長まで視察に来てた画像が流れた。

当然企業としては、宣伝効果も見越しての大いなる「お遊び」なんだろうが、技術者は全くそうではない。真剣勝負で鉄砲の圧力を変えたりノズルを変えたり、画像認識で発射角度を変えたりと、何百回も試行を繰り返すことに、すごい、と言わざるを得なかった。またその中での技術者の言葉が気に入った。

曰く

「我々は開発開発っていってるわりに、先人の蓄積を使って開発してきたものばかりなんですよね。こうしたなんにもないところからの開発ってのがどんなに厳しいか、思い知りました」

はい、この言葉で自分がなんでこんなに感動するのか考えてみた。

単純に言えば、こういうことがやってみたくて今の仕事をしている、ということかな。

今、企業の年商を超える借入金を調達する仕事とか、企業再生の案件とか、やむなく事業承継ならずクロージングの仕事もまましている。そうしたなか、世間様は「そんなんやったって無理や」とか思ってるだろうけど、そこを知恵を出してやる、そして思っていたイメージに近いところにゴールする、ってところに、上述技術者魂ってのか、そういうのが私には間違いなくある。そうそう、だれもが簡単にゴールに到達できる仕事、例えば次の記事で書くような仕事はまあありがたいんですが、面白くはあまりないかなーと(あ、ごめんなさい!発注者の人!)。それを先に下書きしてたんだけど、筆が進まずこれを書いているんです。

悲しいかな、手先も器用ではなく、そこまでとことん突き詰めてモノに向き合うことに特性がなかったことから一般的な「技術者」にはなれなかった私。ただ「誰も手を出したがらない仕事」「困難を乗り越えた先の『未来図』が明確に描ける仕事」、そんでもって「成功のあかつきには相応の報酬がもらえる仕事」ってのがやりたいんだと、ようやくこの仕事を5年やってきて見えてきたと思う。

技術者と違って、この仕事は「経営者や会社を変えていく」まさしく人を『魔改造』していく仕事である。そこもこの番組が気に入ったところって「魔改造」だったのか、ということをこの文章書いてて気が付いた。

ただ、これをやっていくのには人とヒマがいる。暇はなんとなくできたけど、人が圧倒的に足りない。番組でも20人くらいのチームでやってたけど、私の場合即製チームでやりくりしながらえっちらやってる状態なんです。

それはともかく、会社を改造したらこんな夢が見れるぞ!とかいうのに興味があって、相応な困難に耐えうる仲間を探しております、そののち勝利の美酒に酔いたい方、題材はぼちぼち出てきました。ので、よろしくお願いいたします。

PS

どうでもいいのだが、「魔改造」でアイキャッチの写真を検索したら、結構電車モノが多い。私でも魔改造と思うのは、気動車と電車の連結改造、寝台車の一般車両への改造(これは一度福井のほうで乗ったことがある)。下の写真はまさしくそうなのだが、無理やり運転台を付けた感じ。また室内も窓が小さくて暗く、一方天井は2段ベッドだったようでやたら高かった思い出がある。

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コメント

    • 加藤 正樹
    • 2024年 7月 05日 9:50pm

    久々のコメント失礼します。

    たまたま、しばらく前の「魔改造の夜」(電動マッサージ機の回)を見てたのもあり、また技術者さんの言葉に貴兄が触れておられたので、伝えたいこともまとまらないまま書いております。

    「我々は(中略)先人の蓄積を使って開発してきたものばかり。なんにもないところからの開発ってのがどんなに厳しいか」

    ん〜、これ どの会社の方がおっしゃられたのか、文脈含めて分かりませんが、強い違和感を感じたのよ。

    (貴兄の記事に水をさす意図は皆無ゆえ、先におことわり申し上げます。)

    貴兄が見た回、私が見た電動マッサージ機の魔改造、いずれも「無から有を産む」ものではないんですよね。
    ベースとなる玩具や家電と、改造のルール、それらが既に「与えられたもの」なので…。
    (本当にごめんよ、嫌なツッコミで)

    技術開発の実態って、N本放送協会さまの演出のような「お涙頂戴 & 綺麗事」ではないのよ。

    既存技術の組み合わせにより、現在のレベルを上回る物や現存していないものを作り出す。基本これですわ。

    言い始めたらキリが無いけれど、既存技術の基盤が無ければ開発など どう考えても無理。ネジひとつ取っても「既存技術」だからね。(ごめんね)

    たかが玩具の改造ごときで(ごめんね)、何を言ってんだろ? と…。

    既存技術の組み合わせにより新しい物を産み出す、これって凄いことだと思うし、言うほど簡単でもないんですわ。

    さらに言えば、実際の(業務としての)開発現場では
    「ゴールすら見えない、でも期日は迫る」
    というのが日常茶飯事なのですよ。

    この番組向けの開発現場でも、また実業務での開発も、
    「期日が来るから、こんなもんで妥協せざるを得ないかぁ」
    ってのが実態であり、言うたら悪いけど、まぁこの番組向けなんて「遊び」ですから…。(ごめんね)
    会社として恥をかかないレベルは求められるだろうけれどね。

    お伝えしたいこと。
    「N本放送協会の演出なんぞに 騙されないで!」

    (追伸)
    貴兄の記事、419系への着眼が素晴らしい!拍手!

    長文ならびに失礼な表現、深くお詫びいたします。

      • 鷲尾 裕二
      • 2024年 7月 06日 12:12am

      久しぶりのスパムではないコメ、感謝です!

      おっしゃるとおりで、たしかMブチモーターの方が言ってたような気がするんですが、たしかに0⇒1なんていうものは技術的なものはないよね。たしかに頭冷やしてみたらその通りだわ。

      何が言いたかったのか?ともう一度思い返してみると、(じゃ、本文で言えよ!という自分ツッコミ)

      今やっている仕事なんですが、とある金融機関にそんな年商を超える借入できるわけないアホバカ間抜けくらいの罵倒を浴びせられたけど(これガチよ、また聞いて)
      それから半年過ぎて、それこそ名古屋中の金融機関に頭下げまくって、調達額のゴールが見えつつある(借入調達がなりそう)のよ。

      何が言いたいのかというと、最近そうした「しつこさ」がなくなってきた風潮が感じられ
      俺以外にもそんなくだらないことに真剣にやってるやつもいるんだ、というところに、なんか年取ったせいで、親近感がわいたわけ。

      私の上述の仕事(年商を超える額の借入を新たに行う)は、多分前職時代でも記憶がないから、多分稀な事例には成るとは思うんだけど、
      ご指摘のとおり、昔からある「所与」の借入制度に乗っかって、金額がデカいだけの成就なので、大したことはないんだ、と天狗にならぬよう自戒します。

      なんだろう、もうひとつ、素直にワクワクする仕事が出来ている、というか、自分でも無謀だなーと思うんだけど、人から「アホか」と呼ばれるようん仕事に「しつこく」取り組んでいるのよ。ああ、しつこくていいんだ!とまあ、そこに勇気をもらったというか、そんなところでして。

      あ、技術者としては日本HKでやってたのは、当たり前のことで噴飯ものかもしれんけど、
      そうした、「あきらめない」「しつこさ」という、今はカッコ悪いと評価されそうなことが実は技術を発展させることなんだ(これ合ってるよね?)、また普段はスポットライトの当たりにくい「技術者」の考え方というものが知れたのもいいことではないのかなーと素人なりに思いました、というところかな。

      ま、私も言ってみれば、チンケな感動を求めて仕事をしとる、という俗な人間なんだなと。まあ会ったとき話しましょう!、

    • 加藤 正樹
    • 2024年 7月 06日 1:02am

    なるほどなるほど、技術屋の「しつこさ」ね。
    これの無い技術屋は、はっきり言って ダメ人間です。
    これだけは強く強く断言いたします。

    た・だ・し…
    技術屋とて人間、心も折れりゃ期日も迫る。
    そこでTヨタグルーブを始めとする各社での「インチキ」につながるんですわ。
    これ以上は大変キケンなので、お会いした際に。

    「魔改造の夜」は、玩具の改造ごときに高度な技術(コンピューター解析とかね)を惜しげもなく使ってる、形振り構わない

    「技術の無駄遣い」

    を、シャレとして笑いながら楽しむ番組だと私は解釈してます。

    「あきらめない、しつこく食い下がる」ことに カッコよさを感じて頂けるのは、技術畑の私にとっては嬉しい反面、実態は 日本人の大好きな浪花節や根性論の真逆であり、

    ・諦めることなど毛頭許されていない

    ・どういう形であれ、解決策を見い出すまでは開発を止めることが出来ない

    ・出来上がるまで やるしかない
    (カッコいいものとか情熱とかではなく、責任感と自己・自社能力との葛藤と、間に合わないことへの恐怖との戦い)

    ・ひとつの事象を解決すると別の問題が生じたり、複雑に絡んでいる複合要因の「絡んだ糸」を、引き千切ることなくほどこうとして ほどけなくなったり

    ・解決策を見つけたとしても、それを具現化する壁(コスト、サプライヤーの能力や制約、時間的リミットなどなど)に当たって挫折したり…

    実態は書ききれないけど、こんな「疲弊する世界」なんですよ、技術開発って。
    それを貴兄に伝えたかった。

    私の結論
    「だから、テレビ番組が嫌い」
    (↑これかいwww)

    続きは、またお会いしたときにでも。

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