伊和新聞編集後記

伊和新聞 令和6年7月28日号より

たまにはのっけから記事を載せてみようかとおもい、載せてみた(実はテキトーだったりする(笑))

この新聞、あと2年(だと思う)で創刊100年になるんだけど、なかなか厳しいなあ・・・。てなわけで近日中にちょっと社長の許可取って、この新聞のこと書いてみるかと思う。

さて、内容。

資金繰りが苦しいときの対応策として、

売上による入金を増やすことを基本に考えるべき

という内容でしたが、具体的な方法やその利点、デメリットについても触れた。

増収に関しては、多くの経営者が「それができれば苦労しない」と思う。しかし、売上を増やすための具体的な施策や戦略を持つことが大切で、新しい顧客を獲得するためのマーケティング戦略や、既存の顧客からの追加購入を促すための方法を検討することが求めらるけど・・・

逃げる。

では、なぜ頭でわかっていても、売上増強に注力せず、借入に手を出してしまうのか?

それは、人間はおろかな生き物である、ということに尽きるのではないか、と考えとります。

経営者に限らず、人間が楽な方へと流れる傾向は心理的な要因が一番だと個人的には思ってます。人間は本能的に困難やリスクを避け、容易に得られる解決策に依存しがちで、短期的な利益を優先して長期的な視点を見失うことがしばしばあるし、いや、それが正しいんだ!という「認知バイアス」の悪影響も多大に受けている、と感じます。

この人間の傾向をよく表しているのが、イソップ寓話の「アリとキリギリス」の物語だと思う。夏の間、キリギリスは楽をして遊び暮らし、冬に備えてせっせと働くアリを嘲笑う。しかし、冬が訪れると、備えのないキリギリスは食糧に困り、アリに助けを求める。この寓話は、短期的な楽しみや楽な道を選ぶことが、長期的には大きなリスクや困難を招くことを教訓としている。経営者も、目の前の資金繰りを楽にするために借入を選ぶことが、将来的には企業の存続を危うくする可能性があるのは十分わかってるんだけど・・・

借入をする。

さらに、借入による資金調達の誘惑に屈することは、人間の愚かさを反映してる。経営者が短期的な解決策を選ぶ理由の一つは、「イージーに金が得られるから」です。短期間でのキャッシュフロー改善という即効性は確かに魅力的、だが、それに伴う返済義務や利息負担を考慮すると、長期的な視点で見た場合にその決断がどれほど愚かであるかが明らかになってしまう。

また、心理学的な観点から見ると、人間は「今すぐ得られる利益」に対して過度に価値を置く傾向の「時間割引」があり、遠い未来の利益よりも、今すぐ得られる小さな利益に強く引きつけられる。経営者が借入を選ぶのも、未来の返済リスクよりも、今すぐの支払いが間に合うこと、を重視するからに他ならない。ま、支払をするのは当たり前なんだけど、「待ってくれ」とか売掛を早い目に回収するとかそういう手法も、ある。現に昨日もその方策で資金繰りをつけるよう、指導した会社もある。

このような愚かな選択を避けるために、冷静な判断と長期的な視点が必要で、短期的な解決策に頼るのではなく、経営全体を見渡し、持続可能な成長戦略を立てること、具体的には、マーケティング戦略の見直しや、顧客満足度の向上、効率的なコスト管理など、売上を増やしつつコストを削減する必要があると思う。

また、経営者自身が自己研鑽を積み(ここ重要よ)、お嫌いで苦手な財務管理やリスクマネジメントに関する知識を深めることも重要です。適切な資金繰りの方法を学び、実践することで、短期的な問題に対処しつつ、長期的な健全経営を実現することができると思うんだよねー。

結論として、人間の本能的な愚かさや短期的な利益に引きつけられる傾向を認識し、それを乗り越えるための冷静な判断と長期的な視点を持つことが、経営者にとって不可欠であって、資金繰りが苦しいときこそ、目先の楽な道に逃げるのではなく、持続可能な成長を目指して戦略的に行動することが求められるんですよね。

また、借入による一時的な資金繰りの改善については、慎重に考えるべきで、借入は確かに短期的には資金を手に入れる手段として有効、でもその後の返済を考えるとリスクが伴う。返済計画をしっかりと立て、無理のない範囲での借入を行うことが重要です、あれ?これどっかのCMで流れていたセリフかも。

さて、最後に。

大昔、ナニワ金融道って漫画があって、こういうセリフがあったのを思い出しました。

皆さんに贈ります。

「借金はな、塩水といっしょや。飲めば飲むほどのどが渇く」


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