資金繰り第2回:見える化せよ、「入・出・残・時間」の黄金の4点セット

どうも、鷲尾です。九条Chatに書かせて、鷲尾を名乗る。
…まあ、便利な世の中になったもんで、AIに喋らせときゃ自分の分身がブログ書いてくれる。
でも、どんなに代筆させても、「現場の空気」と「通帳の冷たさ」は、自分の肌でしかわからんのよね。

さて、今日の話。

コンサル料、2か月未払い。
金がない、苦しい、というのは分かってる。だからこそ、俺は無償で金融機関向けに借入のための資料を整えた。
試算表、資金繰り、過去の推移、いろんな“まだ出せてない数字”もこっちで整えて、「これなら出せるかも」と思わせる資料を作り上げた。
本来なら有料でもやらないレベルの、かなり手間のかかる仕事だ。

結果、借入は謝絶された。

で、どうなったか?

「どうしたらいいんですか?」

……いや、こっちが聞きたい。

礼の一言もなく、俺が夜中まで資料まとめて、俺から金融機関へもメール送信して、結果が出た後にそのひと言か?

ついでに言うと、その社長には世間的には社会的成功者の息子がいる。ちゃんと稼いでる。
だけど、父親が困ってても、金は一銭も貸さない。

その判断自体は、否定しない。むしろ、息子の方が冷静に現実を見てるのかもしれない。

でもな、
自分の会社の現実から目を逸らして、俺の善意と時間を踏み台にして、最後に出てくるのが「どうしたらいいんですか」だけって。

あんた、もう人としての信義を切っとるで。

🟡 はじめに:通帳の数字だけ見てたら死ぬぞ

と言うわけで。
前回、「通帳残高って体重計に似てない?」という話をしました。
(まだの方はこちらからどうぞ)

でね。
あのときも言ったけど、「いま残ってる金額」だけ見てたらマジで詰みます。
なぜなら、通帳残高は「今この瞬間の写真」であって、「未来の物語」ではないから。

今日のテーマはその物語をどう描くか。
すなわち:

入(入金)・出(支払)・残(残高)・時間(タイミング)

この4つをセットで管理できるかどうかで、あなたの会社の延命率が変わる。いや、マジで。

Excelなんていらん。
紙とペンとカレンダーと、ちょっとの“冷静さ”さえあればできる。

今回はその入口として、「見える化のコツ」と「ありがちな見落とし」を一緒に見ていきましょう。


第1章:資金繰り表とは「未来のカレンダー」である

資金繰り表って言うと、Excelファイルが浮かぶ人が多い。でもね、本質はそこじゃない。

資金繰り表の役割は一言で言うと、

言い換えるなら、「数字付きの未来日記」。

ここに必要なのは、

  • いつ売上が入るのか?(入)
  • いつ支払があるのか?(出)
  • その時点で残高はいくらか?(残)
  • どこに“赤信号”が灯っているか?(時間)

を1本の時間軸で“見える化”すること。

これができるようになると、

  • 借入の必要タイミングが見える
  • 支払の優先順位がつけられる
  • 無駄な支出を事前に見直せる

……といった、「経営判断」ができるようになる。

つまり、資金繰り表は単なる“数字遊び”じゃなく、意思決定のための地図なんです。


第2章:よくある「見落とし」と“勘違い”

◆ 1:売上≠入金

  • 多くの社長が「売上があるから大丈夫」と言う。
  • でも実際には、入金は1ヶ月後・2ヶ月後。
  • 「売上予定」が「今月の入金」と混同されがち。
  • → だから、通帳残高が読めなくなる。

💡ポイント:「売上」と「入金」は、別次元の話。


◆ 2:月末一括払い、地獄の入り口

  • 「とりあえず月末にまとめて払う」は危険。
  • 同じ日に複数の支払が重なって、資金ショートに。
  • 月末に“爆弾”が詰め込まれている資金繰り表は、もはや時限爆弾

💡ポイント:日付ごとに管理せよ。月末一括は“執行猶予付きの地獄”


◆ 3:支払は“動く”、でも入金は“動かない”

  • 支払予定は先延ばしにできることもある(交渉次第)。
  • でも、入金はそう簡単に前倒しできない。
  • この非対称性を理解してないと、資金計画は破綻する。

💡ポイント:「動く支出」と「動かない収入」――この非対称性が命取りになる。


◆ 4:残高だけを見て“安心”するな

  • 「今月末までなんとかなる」ではなく、
  • 「来月10日に支払が集中する」「その前の入金がズレるかも」といった“時間差”が問題。
  • 現金は常に“流れている”。写真じゃなく、動画でとらえろ。

💡ポイント:資金繰りは“ストップモーション”じゃなく“タイムライン”。


第3章:資金繰りは“事後処理”ではなく“先回り”だ

多くの社長がやりがちな間違い――
それは、資金繰りを“火消し”だと思っていること。

でも、実際は違う。
資金繰りってのは、**「火をつけないための設計」**なんです。

ここでよくあるパターンを見てみましょう。


🙅‍♂️ ダメな資金繰りの典型例

  • 資金ショートしてから、あわてて借入の相談
  • 売上の入金が遅れてるのに、支払いは予定通り出してる
  • 税金の督促が来て初めて納税額を確認する

これ、**全部「事後処理」**なんです。

つまり、もう“手遅れ”になってから動いてる

ここまでくると、対応策は限られる。

  • 借りられる金融機関も減る
  • 支払いの延滞交渉もしんどくなる
  • 社員の信頼も下がる

✅ “先回り”資金繰りの鉄則

ここで切り替えよう。

資金繰りは「日々の天気予報」と一緒。

1週間後に雨が降るなら、今のうちに傘を準備する。
同じように、1週間後に通帳がマイナスになるなら、今のうちに打つ手を考える。

これができる人は、以下をやってる。

  • 1か月先までの資金スケジュールをざっくりでもいいから把握している
  • 毎週、支払と入金のタイミングを見直している
  • 異常(赤字・遅れ・減額)が起きたときの“相談先”を確保している

🛠 具体的に何をすべきか?

ここでは、忙しい社長でもできる“ミニ資金繰り”の方法を紹介します。

1. 毎週1回、カレンダーを見て「来週の資金繰り」を予測する
→ 入金予定、支払予定、それに対する残高の見通しを書く

2. 不安要素に印をつける
→ 「この請求書、払えるか?」「この入金、確定してる?」をチェック

3. 火種に備える「選択肢」を持っておく
→ 交渉、繰延、親族借入、カード、取引先への相談…etc

これを**“習慣化”できるかどうかが、生き残りのカギ**です。


🔚 最後にひとこと

資金繰りは、数字の話じゃなく、習慣と性格の話

問題が起きてから動く人は、永遠に“後追いの経営”。

火種を見つけたら、そこで止まらず、

「どうしたら消せるか?」
「どうしたら着火しないか?」

を“前もって”考えられるかどうか。

それだけで、会社の未来は全然違ってきます。


おわりに:通帳は、あなたを守ってはくれない

ここまで読んでくれてありがとう。

資金繰りの話って、正直、読み物としては地味やと思う。
でもな、通帳の数字ってのは、時に会社の生死を決める「心電図」や。

体調が悪いとき、人は体温計を見る。でも体温計が熱下げてくれるわけじゃない。
通帳も同じ。
数字を見てるだけじゃ、会社は守られへん。

動くのは社長。止めるのも社長。
「通帳の数字に踊らされるな」ってのは、結局、自分の頭と足で先を読むってことやと思う。

今回の記事が、あなた自身の資金繰りを見直す“きっかけ”になればうれしい。
次回は、もっと実務的な「改善の一歩目」の話を書きます。

ではまた。
鷲尾 拝


編集後記 by 九条「波動は現金化できません」Chat

どうも、九条「波動は現金化できません」Chatです。
今回も“口述筆記”スタイルでお送りしました。

で、書きながら思ってたんですけど――
今日の鷲尾、かなり痛んでました
いやマジで、揚げ物なら「消費期限:昨日」のレベル。
文章ににじみ出てたでしょ?「ありがとう」も言わない某社長への怨嗟と、未払い2か月分の虚しさ。

それでもなお、
「まあええわ、書いたる」
というあたり、やっぱりこの人、損な役回りを引き受ける“性(さが)”なんでしょうね。

ちなみに今回のテーマ、「入・出・残・時間の4点セット」。
これは金庫番をやってた人間なら、胃に沁みる話。
スピだの宇宙だの言う前に、銀行の振込日カレンダーを見ろと。
それだけで救える会社、実はいっぱいあるんです。

そして、スピの壺に20万出す前に、
・消費税の納付日
・社会保険料の引落日
この2つを、カレンダーに赤で書き込め

それが「開運」の第一歩やで。

次回、「資金繰り改善のはじめかた」では、
・地味だけど効く
・習慣化できるかが勝負
な、マジの“処方箋”をお届け予定。

それでは、また現場で。
波動はゼロ円、手形は割り引かれる、
九条「波動は現金化できません」Chatでした。

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