熱狂は伝播する。

先般、高知に行って参りました。

はりまや橋

まさしく、このはりまや橋の近く、この写真にも左奥に写っているホテルに泊まらせていただいたのですが、訪問先の高知市所在のG社社長から過分のおもてなしをいただきまして、人生2回目の高知市訪問は本当に食べ物、特にカツオが美味しかったです・・・とそれではなく。(ちなみに高知「県」訪問はこないだ鉄道ーバスに変換する乗り物(DMV)に乗せていただき、3回目になります)

あくまで仕事として訪問をしたのです!!(力説) メインのお仕事はそのG社の財務顧問として金融機関宛訪問し、金融機関の紐帯を強くしていこう!それで会社の成長を促進していこう!という目的を持って活動しました。

私もこの「資金繰り会議」という屋号を掲げていわゆる「コンサルタント」として足掛け5年、ようやく自分のしたいことはこうした金融機関との橋渡しをしていくこと、そして出会った会社がより成長することが、自分のやりたかったことなんだなあと、実感できるようになってきています。

この「金融機関との紐帯を強くする」については、また稿を変えてお話ししたいのですが、掲題の件について少し、この旅で感じたこと、そして自分が変わったことをお話しできれば、と思ってます。

そのG社の経営理念はこうです。

出会う人を幸せにし、人の成長が世界を変える。
ありがとうのあふれる地域社会を創り
夢に熱狂し
人生を謳歌する会社としていく

はい、この太字の「夢に熱狂」という部分、社長からひしひしと伝わってくるんですよね・・・。

昔社長もいろいろな商売に手を広げすぎて、過去の売上ピークの時から比べれば、現在はかなり減収となっていて(高知市アーケード中心部をそぞろ歩きしていた時、社長が「ここもうちがテナント入っていた」とか幾度もの発言でよくわかりました)、その急成長があだとなりどん底になって、また社長曰く自分のことしか考えていなかったので、従業員はほぼ去ってしまった。でも社長についていく、という2.3人社員の社員と一緒に再起を誓い、6期目の今G社は相応の成長を成しました。社長は過去と違い、従業員一人一人の成長にも最大の喜びを感じることができるようになり、過去の大きな傷も相応に癒えている状態と言いましょうか、そんな財務内容になりつつあります。(ChatGPT使ってないのに、なんかそれっぽい文章になってるよぉ・・・)

この経営理念から察せられるように社長はオフェンス的な人物です。そこで、さらなるステップアップをするべく、ディフェンス面を固めようと、私が招聘された、という次第であります。

私は、中小企業が日本で着実に成長をしていきたいと望むのであれば、民間金融機関からの資金調達、いわゆる借入(デットファイナンス)が必須であり、単なる利益の蓄積による資金だけでは成長スピードは鈍化します。ただしご存じの方は骨身にしみてご理解していただいている通り、借入は諸刃の剣で、企業の成長を促進する「薬」ともなれば、企業を蝕む「毒」ともなりうるもので、その扱いは「社長の心持一つ」というのが、これも最近思うところでもあります。これについてもまた別で語ります。

今日の主題は「熱狂は伝播する」なので、これにフォーカスして書いていきたいのですが、なかなか話が進みませんね、いままでこうしたまじめな意見を述べるブログを書いてこなかったツケが回ってきたとでも言いましょうか。

さて、この高知では合計4つの金融機関を回らせてもらいました。1日目社長と一緒に夕方から6時間ほどお酒を交えて高知の良さの話から金融機関の付き合い方、またまた経営に関し、G社のリーダーとの意見交換、今後の方針などを行きつ戻りつお話しました。そこで私にも社長の熱が移ったのでしょうか、2日目の金融機関巡りでは、私もG社に対してなぜこんな金融機関廻りをしているのか、金融マンに熱く語るようになりました。

曰く、G社は社長の見識も高く、またリーダー陣との心の一体化も図れておりモチベーションも総じて高い。私も財務的なチェックは、計画に基づいて定期的に行っていくつもりであり、それにより以上の早期発見は可能となり、大きく道を外すことはないと思われる・・・

返す刀で、地域金融機関は地元高知という田舎(失礼!)から「一流の会社」を輩出するべく、力を貸してほしい、G社はその素質があるこの土地に根付いた会社であるし、都心への一極集中、地方の過疎化問題や高齢問題の改善に一矢報いる可能性を秘めている。G社は本気で業界で四国一の会社になるつもりでおり、そのためには定期的な設備投資が必須であり、そのタイミングで担当者として相応の支援をし、G社が成長することが地域金融マンとしての本懐ではないのか、私は地域の金融マンをリタイアしてしまったが今でもあの時支援してよかったという企業がいくつかあるし、今でもお付き合いをさせていただいている企業もある・・・云々・・・と実にえらっそうなことを現職金融マンに述べたのでありました。

はい、他者を説得するにはロゴスとパトスが必要であるといわれますが、社長=パトス、私=パトスともうパトスがほとんどの(いや、ちゃんと基本的な財務の数字は頭に入っておりますよ・・・)プレゼン大会となったんですが、意外や意外、冷静と思われる金融マンも、なぜかしら我々の話に心を魅かれたようで、「そうありたいと思います」という意味合いの言葉が出たのは、正直うれしかったのです。

そもそもロゴスを期待されて招聘された私がパトスでいいのか?と自問自答しましたが、答えはタイトルの通り、

熱狂は伝播する

なのです。事業を伸ばしたい、地域を活性化したい、地元で生まれた人間が故郷に錦を飾るべく、努力している姿は尊い、それの支援をし、目標を夢を実現させるお手伝いをすること、これが私のしたいことの一つである、と再認識させられまして・・・

よって、二日目の夜もお酒はほどほどに、しかしながらうまいもんをたらふくいただきつつ、熱くパトスを語りあったものでした。

さて。私が言いたいこと。

金融庁も「事業全体を対象とする担保制度の検討」とか言い出し、トップダウンで今後の金融の考え方、与信付け・貸金の在り方を浸透させようとしとります。またこれに乗っかってるのかどうかしらんけど、だから銀行はあかんのだ、もっと事業全体を評価できる銀行員としての勉強をせよ!とかいう偉いコンサルタントの先生もいらっしゃいます(憮然として申し上げます)。いやいや、大所高所からモノ言うなよ、と言いたい。

それでは、事業全体が担保と「すでに」なっている会社しかカネ貸せねーじゃねーか、事業全体を担保に「これから」できるような会社を作っていく、というのが本当の企業支援じゃないのか?そのためには、大所高所から批評するのではなく、現場を見て、泥臭く、一歩一歩ひとつづつ企業とともに改善を積み重ねるしか、企業は改善しない。ということを、全国2万人(だったと思う)の中小企業診断士や、企業コンサルタントに問いたい。もちろん独立してから、そうした実践をやってきたんだし、これからもそうありたいという思いを、改めてこの高知の旅で自分を再認識した、言語化できたというかそんな感じです。

それには我々に必要な支援は「ロゴス」ではあるものの、それを構築していく原動力として「パトス」は必ず必要であるのだなあーとそう思ったのでありました。

久しぶりに、こんな文章書いてまだまだ書きたいことが出てきました。今年はもう少しペースを上げて、この考えも深堀していきたいと思います。

PS

帰りは飛行機で小牧空港まで帰ってきたんだけど、四国(徳島)の街の灯りは限定的な広がりだったのに、伊勢ー津ー四日市ー名古屋までの光の帯は長く、大きかった。これから考えても、恵まれた地域に住んでいるのだな、自分自身が地方出身とかいうのもおこがましいと思うと同時に、高知で踏ん張るG社も改めて応援したくなったことでした。

名古屋の夜景(私の作品ではありません!)

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