先払いと後払い2

タイトルの後払いと先払い、先ほど象徴的な会話を同業者のマーケティングの先生とお話して非常に考えさせられましたので、ちょっとその会話を再現してみます。

マーケティングの先生(以下「マ」)「鷲尾さん、ネットでの投げ銭ってやったことある?あれってどんな感じでやるの?」

私「いやいや、私もとあるブログでしかやったことないんだけど、いったいどういうの?」

マ「いやね、マーケティングの相談受けたんだけどさ、とある人がライブでいろいろ話するんだけど、いったいどういうタイミングで、どれくらい投げ銭したらいいかわかんないんだよね?」

私「いや、投げ銭のイメージで言うたら、ほらこないだ一緒に飲み会行った帰り金山(注:名古屋市内で東京で例えれば上野、大阪で例えれば天王寺みたいなところ、あくまで私の所感です)で、路上のミュージシャンいたじゃん、あれにお金投げる感じだから、100円とか、そんくらいじゃないのかな?」

マ「ありがとう、でもさ、オレどこで投げていいかよく分かんないんだよね・・まあどんなのか見てきて、また報告するわ」

私「あ、そうなの?でもネットの投げ銭って、特に動画系だとライブ感って必要じゃん?それってどう思う?」

マ「そうだよね、ライブ感もそうだけど、後払いとか先払いとかじゃなくて、その瞬間とかどこがおもろかったとか『反応』が見れるのも大事だよね~」

という感じの会話だったのですが、一つ言えるのは、後払いでも先払いでもなく、このブログで言うなら、その瞬間、その文言、センテンスに「俺はカネを払うんだ!!」という意思表示、ていうか、投げ銭する人が感じた「価値の尺度」としての機能を持ったらいいのになあ、というか。

と考えたときに、思わぬ刺客が家の中にいたのです!

17になるうちの娘なんですが。
(あの森高千里の「♪誰もいない海・・・」という年に自分の娘がなるのは不思議な感じがします。)

こいつ、学校が休みなのをいいことに、お気にのYouTuberばかり暇があれば見ていやがるものですので、父としては威厳を正して聞いてみました。

お前が見ているYouTubeは、例えば、動画の気に入った瞬間に、例えば3:50のところに投げ銭が出来るのか?と。

「生放送だと出来るよ、スパチャ(スーパーチャット)なら」
「なんや、そのスパチャというのは?」
「生放送だと、その画面に対してチャット出来るやん?」
(注:チャットとは↓みたいなやつ。赤丸のところに視聴者がコメントを入れると次々にコメントが表示される)

「そこで、課金することをスーパーチャットと言って、出演者に対するアピールになるん」
「で、それって出演者にとっては、この瞬間が「ウケた!」とかわかるんか?」
「うん、ただ、コメントとか入力するタイムラグがあるから瞬間にはわからへんけど(注:そこまでは演者も求めてへんと思うが・・・)、ここおもろいこと言ったでウケたな!とは、後で見直してもらえればわかると思う」
「うん、そうか。そうすると演者もやる気になるかもね」
「いや、それよりなんでスパチャをやるかというと、ユーチューバーに対するアピールなん」
「???」
「課金の多さによって、このスパチャ、何分間か一番上のところに固定化されるんよ。となると、ユーチューバーは『この子俺のために●●円も払ってくれたんや』と思ってくれるし、もしもっと多ければ名前も呼んでくれるかもしれへん。こないだ1200円スパチャしたけど名前呼んでくれへんかった」

うーん、こんなあほうなことに1200円も投じているのか・・・。まあこの親にしてこの子ありで、父も阿呆なことにカネは投じたことはあるので、あまり説教は出来んが・・・。

ただ、勉強になったのが、思っていたのとちょっと違う感じかなと。

どちらかといえばAKB48の握手会と同じ心理を喚起させとるのかな?と。
多くお金を投じれば、あこがれのユーチューバーが振り向いてくれるかもしれない、自分のことを認識してくれるかもしれない。そういう受け皿としてのスパチャなのかと・・・。

そこにはこの芸がよかった、という評価も少なからぬあるんだろうけど、それよりも、そうしたファンからの集金システムみたいな感じがして、どうも私はこのシステムがあまり好きになれんかったです。

でも。

まあ、それはそれとして、この「瞬間払い」の状況は、明らかにマーケットインでしょうね・・・。消費者が求めているものを提供してやる匂いがプンプンする・・・。YouTubeが意図しているかどうかはわかりませんが・・・。

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