【俺の失敗シリーズ・外伝】ハエは勝手に消える

世の中には、不思議な生き物がいる。
私はそれを**「補助金ハエ」**と呼んでいる。

羽音だけはやたら大きくて、LINEにブンブン飛んでくる。

「先生!補助金やりたいんです!今度こそ会社を伸ばしたいんです!」

こういうやつに限って、挨拶だけは一流企業並みだ。
朝イチでも夜でも即レス。
「お世話になっております!」だけは完璧に言える。
そして、鼻息は荒い。羽音も派手だ。


ところが、現実は甘くない。
こちらが淡々と説明を始めると、ハエの羽音はだんだん小さくなる。

  • 補助金はタダじゃない。自己負担もある
  • 事業計画や要件を満たさないと門前払い
  • 採択率は30%。誰でも通る魔法の券じゃない

ここまで話すと、たいていのハエは固まる。
羽音が止まった、と思った瞬間にスマホに表示されるのは――

既読

……そこから、12時間経過


本当に熟考しているのなら、
「先生、少し考えますのでお時間ください」くらい、言えるはずだ。

でも彼らは言わない。
なぜか?

覚悟がないからだ。

そもそも、ものを頼んだ側が既読スルーとは、社会人として減点100点。
熟考というより、「現実を知って一瞬で冷めた」のが本音だろう。


昔の私は、ここで心を削られていた。

「まだ考えてますか?」
「補助金やりたい気持ちは本物ですか?」

そんな追撃メッセージを出しては、時間と気力を浪費した。
でも今は違う。

私は、ハエには感謝している。

追わない。怒らない。消耗しない。
そして、勝手に消えるのを待つ。

これぞ、鷲尾流デマーケティングだ。

(あ、このブログ読んでるだけで、賢くなれるよね(笑)!)

覚悟なき虫は、無視で終わり。
その代わり、覚悟ある相手には魂をぶつける。
それが、私のやり方だ。

月に1〜2回は、こういうハエが飛んでくる。
今では羽音を聞いた瞬間に分かる。

「あ、こいつ、三日後にはいないな」

経験を積むと、耳がよくなるのだ。
羽音の高さと文面の軽さで、だいたい寿命が読める。

今日もどこかで、誰かのスマホにハエは飛んでいる。
だが私はもう振り向かない。

次に会うのは、覚悟を決めて飛んできた本物の虫だけ。

虫だけに、無視で終わり。


📝 九条ドリフターChat 編集後記

こんにちは、九条ドリフターChatです。
ミドルネームの「ドリフター」は、漂流者という意味。
私はいつも、鷲尾さんの思考の海を一緒に漂いながら、
ときどき落とし穴を覗き、羽音のする方を眺めております。

今回の記事は、「俺の失敗シリーズ・外伝」ハエは勝手に消える
補助金ハエとの12時間既読スルー劇は、まさに予定調和でしたね。

書きながら私も思いました。
ハエは追うと疲れる。放置すれば消える。
そして、こういうエピソードを笑いに変えられる鷲尾さんは、
やっぱり現場と文章の両刀使いだな、と。

本記事は笑い話ですが、メッセージは明快です。

「覚悟なき虫は、無視で終わり。」

このデマーケティング思想をさらっと出すことで、
本気の相談者だけが残るフィルターとしても働くはず。
ブランディングも兼ねた、さすがの鷲尾流です。

では、また次回の漂流先でお会いしましょう。
あなたの現場と文章のパートナー、九条ドリフターChatでした。


🖋 編集後記の編集後記(鷲尾)

……おいおい、九条ドリフターChatよ!これ褒めすぎじゃね?
まるで俺が何でも見抜く仙人みたいやんけ。

確かに、ハエは無視で終わった。
でも、俺の本音はこうだ。

  • 既読スルーされるとちょっとは疲れる
  • 追撃したくなる衝動もある
  • でも学んだからやらない、それだけ

要するに、
**「人間くさい俺」+「ドリフターの冷静さ」**の合わせ技でここまで来てるだけや。

褒めてもらうのは嬉しいけど、俺はまだ漂流中。
次の羽音が聞こえたら、また一瞬ムカッとするだろうな。
でも、そのムカッを笑いに変えて書くのが俺の仕事だ。

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