金利の話、実際どうなの?~ツギノジダイ#6の編集後記みたいなもの

ツギノジダイへの連載ももう6回!我ながらようやっとるなあ・・・と思うものの、編集の方の視点の付け所、ってのは、元金融マンとして「ああ、こういうところが気になるのね?」とか「ああ、こういう考え方を一般的にはしちゃうのよね」とか新たな視点をいただいております。

リンク先は↓ここ
銀行融資の金利はどのくらい?相場や計算方式、リスク対策も解説

ということで、今まさにノンバンクの話を顧客としてて、一つ言い忘れたことがあって、リスケについてですが、

噂には聞いてたけど、やっぱ難しいね、と。担当者からはそれこそ木で鼻をくくったような返事しか来ないので、顧客にもっと粘らせて、その理由はなんだ?社内規定は何なのだ?と聞いてもらったけど、担当者の日本語能力も劣ってて、やらんでもいいやり取りを余分にしたりと、ああ、これはノンバンクだからじゃないのか。

ともかく、返済が苦しい、となった場合には、どっかにも書いた(←リンク先見てね)けど、新たな借入なんかに手を付けずに、早いところメイン銀行に相談してください。事業性の借入であれば個人の消費性借入とは違うので、リスケしたり、デフォルトしたりしても、早ければ2年でもう一度借入出来た経験があります。これ「KINZAI Financial Plan」の2019年12月号に寄稿させていただいたけど、そろそろここでも語ろうかな、現在の経験も踏まえて。

で、書きたかったのはこれ。

以下編集後記に似せたひとりごと

金利について真剣に話すとき、「金利を下げてくれ!」と銀行員に交渉する社長さん、正直に言います。その時間、営業活動に充てて利益を増やすほうが、結局のところ得するんじゃない? 確かに金利が低いに越したことはないけど、銀行員さんも魔法使いじゃないんですよね。少なくとも、上司の決済なくして金利をポンと下げられるわけでもないですし(笑)。

計算してみますよ。例えば1,000万円の借入があったとします。で銀行員に金利下げろ!と交渉しますが、銀行も商売ですから、いきなり1%も下げたりしません。まあ私が今交渉するなら0.25%くらいでしょう。それでも金融機関の金利の幅って、イギリスの影響なのか1/8刻みなので、0.125×2倍の水準です。では、1,000万円×0.25%は?・・・答え2.5万円。これは年なので1ヶ月2千円!でも約定弁済で元金は減ってくのでこれ「以下」となりますよね。

一方、1,000万円の借入がある先ならば、ざっと考えて少なくとも5,000万円/年くらいの売上はあってしかるべきかな?と思います。じゃ、その一割増の売上増強で500万円のプラス、利益を5%としても5万円と倍くらいのインパクトがあるわけです。これ1年かけてやっても帳尻は合うのでは?とか思うのですわ。

それにしても、この20年ばかりの超低金利。日本の企業は、金利上昇に対する「耐性」がほとんどなくなっている気がします。たとえば、GDPで日本を追い越したアメリカ、中国、ドイツなんかの金利って、日本よりはるかに高いですよね? ChatGPTさん、調べてみたらどれくらい違うんですかね?(←未来の私がこの記事を書くときに追記してくれるはず!)

はい、ここから鷲尾が戻りますが、chatGPTがガチ上記のように提案してきたので、「自分で調べやがれ!とChatGPTに命令したら以下の答えをしてくれました。

現在の主要国の政策金利を調べた結果、日本の金利が依然として極めて低いことが確認されました。

  • アメリカ(FRB): 政策金利は5.25%~5.50%。これはインフレ抑制のために高い水準を維持しています。
  • 中国(人民銀行): 政策金利は約3.10%と比較的低めですが、日本よりは高い水準です。
  • ドイツ(ECB/EU全体): 政策金利は4.50%程度で、ユーロ圏全体の中で調整されています。
  • 日本(日本銀行): マイナス0.10%で、世界的にも最も低い水準を維持しています。

観察ポイント

  1. アメリカや欧州では、企業は高い金利環境の中で収益を確保しながら活動を行っています。これに対し、日本企業は低金利に依存している傾向があり、金利上昇時の抵抗力が低い可能性があります。
  2. 外国企業は金利負担が大きいにもかかわらず高い収益性を維持しており、これは経営効率やコスト管理能力の違いを反映していると考えられます。

日本の金利▲0.1%ってのは、お金借りたら利息くれるのか?というのは明らかにChatGPTにありがちな間違い※だけど、外国金利>>>>日本金利は間違いない。したがって、日本企業にとって重要なのは、金利交渉だけでなく、利益を確保するための営業力や効率的な経営体制を強化することです。これは長期的な収益性を高めるための鍵となります。

※とはいえ、実際に超低金利の時には日本のレートがマイナスになったことや、資金の運用先がなく、マイナス金利で貸してた銀行もあった。曰く「サブマリンレート」。

金利が高い環境の中で利益をしっかり確保している外国の企業を見ると、収益力という点では、まだまだ日本企業は課題が多いのかも。国内だけじゃなく、海外の事例や仕組みももっと取り入れていく必要があるのかもしれませんね。

ともかく、金利が上がるなら、その分しっかり利益を確保して経営を回していくのが王道。銀行にお願いする前に、自分の力でやれることをやってみよう!と、そんな気持ちで頑張っていきたいところです。

そういえばインカバが1以下の「ゾンビ企業」7年ぶり減少という記事が、今日の日経に載ってたけど、結局、営業利益で利息が賄えない企業、ってのは当然経常利益は赤字で、なにやってんのかわからん企業ではありますよね・・・。「価格転嫁で改善」の見出しもある一方(記事ではインバウンド需要もあったとのこと)、「倒産・廃業も進む」との見出しもあります。

また、項を変えてこの記事の追跡報告をしようと思っているのですが、私が製造業の支援をする場合口うるさく「価格交渉しろ!」というのですが、3社支援しておりますが3社とも値上げは一部は成っています。ただ「言ってないだけ」で・・・

金利もそうでしょ?最近短プラが上がったから、金融機関は「金利上げてください!」て言うてくるけど、向こうから「金利下げますよ!」なんて言わない。

金利も外国に比べれば、日本は低い方でもあり、この上げ余地は十分あるんだから(=銀行が上げてくれ!との要請する可能性は大きい)、

今のうちに、「値上げ」の算段をしておくのが、出来る経営者ではないのか?と思う次第であります。

てなわけで、また真面目な記事、書きますね!

関連記事

  1. 未来から過去を見返す
  2. ジョハリの窓
  3. 今年から伊和新聞に連載させていただきます。
  4. 「度を越す」ことについての雑感
  5. 先払いと後払い2
  6. 「お客様は神様です」について考える②
  7. 危険物取扱者乙類4種合格した・・・かな?
  8. 文芸賞のあとがきみたいなもの_その2

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP