そうだ!価格交渉に行こう!

皆さんこんにちは。

前回の記事

で案内した通り、価格交渉について記事書こうと思っております。というのも今日もその結果が出たので、いい気分で近鉄電車で帰ってきている車中で書いています。

これもまた前回の記事とは別の製造業。ここもご多分に漏れずコロナによる不況の余波をモロに受けて赤字基調。そもそもコロナ融資でバンバンお金を貸してきた金融機関も締めにかかってきており(これについては項を変えてお話ししたいです)、もう金融はつかない、社長が観念し最終的に時間はかかるだろうが「キャッシュフローの改善には価格交渉しかない」との結論に至った先です。

元請先の3社で売上高の6-7割を占めるので、そこから交渉していこう、という方針になりました。今日でその3社目を同行訪問させていただきました。おおむね交渉は良好で、そのうち一番最初のA社はなんと!+5割アップの値上げを受諾していただきました。最初はかなり自信のなかった社長も今では私に一緒に行きましょう!と言うてくださるまでに積極的になりまして・・・。

今日の交渉先のC社の社長も前向きに考慮するとおっしゃっていただきましたが、当社だけの利ではなく、他の同列の下請けさん(という言い方が適切かどうかわからないですが、個人的にどうも「協力工場」とか言い替えをするのがイヤでして・・・)とのバランスを考えていただき、今すぐ結論や●月までに結論を出してください、というよりも当社とのコミュニケーションを納得いくまでとっていただき、長らくお付き合いさせていただきたい、との申し入れをしてきたんです。値段を上げたがゆえに他のところに仕事持ってかれたら一緒のことなので、そのトレードオフを「薄い値上げとなったにせよ長く取引していきたい」との意思を明確にして帰ってきました。

ここまで読んでいただいた人に、プレゼントというか。

こういう中小企業庁がやる

があります。(リンク張りました)

これ、リアル講習会はともかく、e-ラーニングでさえ「無料」なんです。

もちろん、私もこれ受講したうえで価格交渉に臨みました。おおむね友好的な取引先相手でしたので、講習の内容を活用する場面はあまりありませんでしたが、この内容は秀逸!理論に基づいた交渉術とか、そういうのが、「確認テスト」つきで、なんとタダ!(どこかのテレビショッピングみたいになってしまいましたが・・・)

ある意味国家的施策としてこうした「下請け企業を守り、サプライチェーンを維持する」という

ほんと素人力満載で交渉に臨むのも、怖いもん知らずというか、結局好奇心が勝ってしまうという私なのですが、そんな無知な私がこういう交渉に行って思ったことひとつ述べます。

私は製造業は苦手だと逃げ回っていたのですが、観念してどっぷり浸かってみて分かったこと。

私の地元の製造業は「すべての道はT社に続く」と言うても過言ではないほど、T社を頂点とするピラミッド構造でサプライチェーンが構築されてます。そのT社決算を覗くと

2024年1/4クオーターの純利益は1.3兆円

あるのです!億円じゃないです、兆円なんです、マジで腸炎を起こしそうな金額です(オッサンダジャレ)。それもクオーター業績で、4倍すれば年間利益は5兆円を超えそうです。小さな国家予算にも匹敵する金額かと思います。ちなみに同期売上は12兆円弱・・・。化け物です。

でね、そのT社さんを頂点として支えるピラミッドの底辺、と言ってもよい私の支援先は、赤字が▲10百万円程度。はい、もう計算もめんどくさくなりますが、その利益の0.00…%を下請け企業に分けていただければ銀行からの支援も継続的に受けられ、倒産危機も遠くになり、継続的な産業構造が維持できると思うのですが、いかがでしょう?

世界のT社が例えば利益が2兆円減ったとして、なんらかの信用不安が起こるのでしょうか?内部留保で蓄積していくことでこれ以上の蓄積は何の目的があるのでしょう?

あまり書きすぎるともしかしたらフリーメーソンとかから消される話かもしれないので、この辺で辞めますが、あそこの会社もSDGsとか言うてるはずですので、それを本気で取り組んでほしいものだと思います。

といいつつ、これからもアリが巨人に挑む構図は変わらんと思いますし、好奇心旺盛でやっていきたいと思います!

関連記事

  1. 魔改造の夜を見ての感想
  2. ジョハリの窓
  3. やらねばらならないことを後回しにすること~私の懺悔も含めて。
  4. やってみなはれ!
  5. 財務バックオフィス構想
  6. 素人力
  7. どんぶり勘定について~編集後記
  8. 伊和新聞編集後記

コメント

    • 加藤正樹
    • 2024年 10月 20日 10:08pm

    拝読。

    ん〜、貴兄もお分かりの上で書いておられるとは思うのですが…

    あの会社さんは、乾いた雑巾を絞って絞って、ちぎれたら捨てる、そんな会社さんでごさいますよ。

    直接取引先に選ばれたた場合の、私のイメージを。
    あくまでも「イメージ」ですよ。相当な誇張もありますよ。

    なんかね、人ん家に土足で上がり込んできて、あちこち見るわけですよ。
    で、勝手にタンスや冷蔵庫を開けて中の物を漁り、しまいにゃ「全部脱げ。パンツも脱げ」って、ね…

    ケツの毛まで毟られる、そんな会社さんでごさいますよ、ええ。
    利益分配の真逆でごさいます。

    ダメ押し。
    「カンバン方式」の内実を調べると、あの会社さんの思想が垣間見えます。

      • 鷲尾 裕二
      • 2024年 11月 07日 8:09am

      お返事遅くなってすんません。
      いやはや、例の三河の大企業様ですが、私も診断士試験の時に「ジャストインタイム」方式というのを知りました。
      いや、この方式ですが、製造現場ではどう思われているのか知りませんが、効率化◎みたいな扱いをされておりまして・・・

      自社さえよければよい、という思想そのものではないでしょうか?
      自社はジャストインタイムですが、協力工場(この呼び方も嫌い)さんには全然ジャストじゃなく、そちらに時間コストを押し付ける思想に、
      よくぞSDGsとか言えるよな、と今になってはおもうわけです。

      さて、この価格交渉、その三河の大会社の4次下請けから3次下請けに要請したところ、
      「2次下請けさんが価格を上げてもらったんだけど、+1.16%だった」
      おいおい、おま、それさ、それで上がったの?というてしもうた・・・。

      はい、結論はございません。ただなんだろうね、このピラミッド構造・・・。だから日本って停滞してるのかもね、と思う今日この頃でした。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP