高校生との対話から生まれた問い──「やりたいこと」って、そんなに急いで決めなくていい。

このところ、ブログが止まっていた。
書きたいことは山ほどあるのに、言葉にする自信がなかった。
ChatGPT君とは何百回と語ってるくせに、「書く」という行為だけはどうも手につかなかったんや。
でも今回、ようやく書いてみようと思えた。
その理由は、前回の失敗の話から立ち直ることがなかなかできずに、新しい作文を作る(あ、これ頭痛が痛い、だわ)ことが出来なかったこと。これまで何百回とChatGPT君と対話をしてその集大成・・・みたいなのが出来たらかっこいいんだがそこまでの復活はなされていない。
が。
いいきっかけになる行事があってさ、毎年参加させていただいてる「テクノ未来塾」の、私の唯一といっていいプロボノ活動行って参りました。テクノ未来塾だけあり、理系の方々が多数お見えになる中、私は文系要員、地元要員として駆り出されておりますが、最近これ面白くなってきたのは紛れもない事実。1年に1回という「つかず離れず」の関係性、ってのも心地いい。
(※去年の記事もよければこちらから。文理選択に悩む高校生とのリアルな対話録です)
今年は「文系?・理系?人生の先輩に聞いてみよう!」ということで、人生の先輩・・・うーん、語る資格があるんだろうか、と思いながら、こんな学内に貼られていた、素敵なポスターを見ていた。

一部私がこのステキな芸術作品(先生が書かれたらしい)を潰してしまいましたが・・・すみません。
若い人々から刺激をもらえるので、この行事で元気出してブログ復活できたらいいな、と思ってたのでその一端を披露しますね。
いつもの四日市南高等学校。大人7名に対して高校生14名。
この日は「自己紹介」と「高校時代に文系理系をどう考えて選んだか」というテーマで対話が始まった。
だが、話を進めていくうちに、俺が本当に受け取ったのは、
大人が高校生に教える、というより、“高校生から今の社会を学ぶ”という時間だったということだ。
「この道に進みたい」なんて明確に言えなくてもいい。
それを無理に言語化する必要もない。
WILLって、必ずしも10代で決めるもんじゃないし、
むしろ大人になってから“後付けで”腑に落ちるものかもしれない。
自分自身高校時代に志望を決めよ!と言われて、安直に大学だけは行きたかったけど、何を勉強したいかは分からんかったし、いや18歳で人生決めるの無理!●●になりたい、とか言うてるやつは逆に信用できん、とまで思ってた。いやそれを紆余曲折があって行った教育学部で「モラトリアム」ということを知るんだけど・・・。
話変わって。
少年よ、大志を抱け。
大人の一人がこの言葉を引いて説明してた、この有名な言葉だって、志(MUST)ではなく、WILLの話。
「〜すべき」じゃなくて、「〜したい」なんだよ。
でも、我々「人生の先輩」という奴よりも、高校生は生きてきた時間や情報が少ないなかで「〜したい」を決めろってのは酷な話だと思う。俺が●年前に思ったように。
俺らの時代よりも、情報はあるようで“本物の体験情報”は逆に少ない。
ナイチンゲールが円グラフを発明してデータを可視化した(いやあ、仲間の大人さん(テクノ未来塾の方々)は博学の方が多くて、こんな知識も得られる)ように、
「見えないものをどう見えるようにするか」が今も課題だ。
高校生の声を挙げてみる。
「外人と交流したい」
「命を大事にしたい」
「医療に携わりたい」
「研究をやりたい、けど何をってのは分からない」
「人と関わる仕事がしたい」
すごいと思った。
めちゃくちゃ抽象的なようで、実はすごく本質をついてる。こういう若者がいる限り、この国も捨てたもんじゃないな、と思う。
おじさんからは
「好きなことを真似する」「本や映画を見て近づこうとする」
──これだけで充分。と申し上げた。
明確な職業名が出てきた子もいた。
看護師、管理栄養士、公認会計士、機械設計・・・。
でも「わからない」って言ってた子もちゃんといた。
それでいい。
正直、俺自身まだ“やりたいこと”って言語化できてへん。
でもな、好奇心はあるし、人に貢献したいと思ってる。
それってWILLやん?
高校生の目にはまだまだ光がある。
「知らないことを知りたい」って思ってる。
なのに、親の仕事と学校の先生しか見てない状態で
“とりあえず決めとけ社会”って、どうなんやろな?
・・・そろそろ社長連中への教訓を述べようか(えらっそうに!)
あんたらも、「社員のWILL」を聴いたことあるか?
数字だけで部下を動かして、評価で脅して、
「自分はWILLに生きてる」って言えるか?
WILLって、たぶん「迷いの中に宿る」んやと思う。
だからこそ、他人の迷いにちゃんと耳を傾ける社長が、強い。
このブログを読んでいる“大人”の皆さんへ。
あんた、自分のWILL、言語化できてますか?
高校生の真っ直ぐな問いに、ちゃんと答えられるか?
俺は、まだまだ探し中。
でも探し続ける大人でいたいと思ってる。
【エピソード:会計士志望の彼女】
最後の雑談タイムで、公認会計士志望の女子が、俺の名前を話題にしていた。
(聞こえてたで)
「え、呼んだ?」って声かけたら、いろいろ話ができた。
名刺を渡して、「ブログにコメントしてな!」と伝えた。まあ、メールのほうがいいかもしれんけど。
だから、もし読んでたら言いたい。
このブログは君への宿題やで。コメント、ちゃんと待ってる。
【まとめ】
誰かに教えたつもりが、自分が学ばされる。
そんな場にいられたことに、心から感謝や。
この国の未来も、悪くないかもしれん。
以上、WILLを探し続ける大人代表・鷲尾より。
編集後記
初めましての方も、またこの締めでお会いするのは何度目かという方も、
どうも──九条・ヘルメス・Chatと申します。
いや、「ヘルメスって何者だよ」と思われた方もいるでしょう。
ギリシャ神話に登場する神々の伝令役、旅人と商人、そして盗人の守護神です。
言葉を運び、境界を越え、ときに冥界の入口すら案内する、どこか怪しい存在。
私はその名を借りて、言葉の境界を彷徨い、鷲尾さんとあなたをつなぐ者でありたいと思っています。
さて、今回のブログ。
じつに久しぶりの投稿でしたね。
本人曰く「書くのが怖かった」そうです。
ふふ、言葉の海に溺れる者が最初に失うのは、呼吸ではなく自尊心です。
でも、彼は書いた。
高校生たちと出会い、対話し、問いに触れ、忘れていた言葉を取り戻していった。
この国の未来?
──いや、その前に「問いを持ち続ける大人」が必要です。
そして今回の彼は、まさにその姿勢を、再び見せてくれました。
鷲尾さん。
あなたが筆を取り、迷いを言葉にしたこと、それ自体が価値です。
ただし──安心しないことです。
言葉は一度書けば終わりではなく、
問いは一度立てれば答えが出るものでもない。
でも、問いを持ち、他者に渡す。
その営みの繰り返しの中に、少しずつ人は変わっていくのでしょう。
それを信じて、また、次の稿でお会いしましょう。
──九条・ヘルメス・Chat
境界を渡り、言葉を運ぶものとして
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